びえい移住10周年
〜この10年間の出来事〜

あっという間の10年だった。
 2001年3月。これまでの居住地であった東京から北海道へ居住空間を全く変えて、新世紀の生活をスタートさせた。
当初に書いた「移住奮闘記」は、第1回で絶筆となってしまった(^^;が、何故書き続けなかったのか?自分でも相当苦労するであろうと覚悟を決めてきただけに、奮闘記なるものも書けるかな?と思っていた。最初の冬(2001年〜2002年)は、今から思えば確かに「大変だったな、良くやったな」と感じるのだが、当時の自分たちにとっては、そう感じることはあまり無かったように思い、それ以上書いてもつまらんかな?と思ってしまったからだと思う。
当時、ウチの前の150mほどの道路は町道ではなく、そのため、当然のことながら町の除雪車も来てはくれなかった。最初の冬を迎える前にそれは分かっていたことなので、除雪機も家庭用の中でも大きめ(12馬力)のものを買ったのだ。平日に夜から朝にかけ大雪が降れば、朝は6時には起きてその道路を最低2往復して除雪を行い、後は敷地内の数十mの道路を3往復してから出勤した。
でも、移住して最初の冬、何もかもが新たな体験。多少不安は持ちつつも結構楽しみながらの作業だった。
ただ、日中に大雪が降ったり、風雪のため吹き溜まりが出来たりすると、出勤中の私に変わって妻がそれを代行しなければならず、とても苦労をかけたと思う。
幸いこの年の冬は例年に比べると降雪量・積雪量ともに少なく、何とかなった感があるのだが・・・。
こんな移住初心者夫婦の除雪光景をご近所の方々はちゃんと見ていて下さったようで、その道路を町道に認定する陳情を、皆さんで応援してもらえることになり、役場との調整や議会での決議を経て、1年後には無事町道に認定され、2年目冬からは町の除雪車が入ってくれることとなり、今に至っている。

仕事はどうか?どちらかというとこちらの方がいろいろと苦労の連続だった。
土地柄の違いや風習の違い、業務知識も勉強して身に着けなければならない。最初の数年間はとまどいも多く、それだけに他人以上に努力したと思う。そうしているうちに、出張が増えてきた。最初は北海道内、特に道北・道東に何回も車で訪れた。そのころ、プライベートでも道の駅巡りをしていて、足かけ2年で道の駅全駅を走破した。それと前後して出張は本州も徐々に増え、東京・東海・北陸・関西・九州にまで及び、2009年には飛行機の搭乗回数が50回を超えるほどであった。
各地を訪れることが多くなって、美瑛への移住はますます価値のあるものに変化していった。
移住前にすでに美瑛へは12年ほど通ったが、移住して10年近くも経つと丘の景色も徐々に当たり前の光景に変わっていった。今では撮影するより目で景色を楽しむことが多いが、丘の光景や自然の移り変わりが時折見せる奇跡的な瞬間に今でも驚かされることは多い。

時々、周りの方々から「東京での生活と比べて、移住してみて、どちらが良いと思う?」と聞かれることがある。
不安が全くないと言うと嘘になるが、間違いなく、移住して良かったと思う。

                                          2011年1月1日 記



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